「しあわせは食べて寝て待て」第5話感想|陰から陽へ。干し柿と牡蠣に重ねた人の変化

ドラマのこと

今ハマっているドラマ「しあわせは食べて寝て待て」。現在ふわふわしためまい・PPPD で休職している私に母が面白そうなドラマがあるよと教えてくれたのが見始めたきっかけでした。見始めると今の自分の境遇と重なってどハマり。今回は第5話の感想です。

第5話あらすじ

さとこ(桜井ユキ)は副業をあきらめ、再びパート先と家を往復の日々。司(宮沢氷魚)は山へ出かけた。時折ふらっと行くらしい。鈴(加賀まりこ)はさとこにも勧める。緑に癒やされたいさとこは司のもとへ。そこで、謎めいた司の意外な一面を知る。一方鈴は、司との出会いを思い出していた。団地横の川辺にスニーカーが片方転がっていた。恐る恐るテントに近づくと、中に男が倒れていた。驚く鈴だったが、それが司だった。そして…https://www.nhk.jp/p/ts/B9N328J5VP/episode/te/N599ZX447J

今回は、司の過去が明らかになった回でしたね。辛い過去を持つ司が鈴と出会い温かくなっていく様子が、ある食べ物に例えられていてその描写が素敵でした。

れて
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以下ネタバレ含みます!

山に行くことで明らかになった司の過去

鈴に勧められて司と山にハイキングに行くことになったさとこ。そこで、司が自分の過去について話してくれます。司は高校生の頃から祖母そして母の介護をする生活が続いており、結婚の話をするような彼女もいましたが、また誰かに縛られる生活が続くのかと思い、1人で自由に生きていく道を選びました。この時司はさとこに父親のことは話していませんでしたがーー。


一方鈴は司と出会った時のことを思い返します。テントの中で風邪で寝込んでいた司を助けたことから司との暮らしが始まります。暮らして仲を深めていくうちに、司は自分が赤ちゃんだった頃に父親がいなくなったことを話します。

干し柿に重ねられた人の変化

物語の後半で干し柿をめぐるエピソードが出てきますが、そこが今回一番心に残りました…!

司は団地でさとこに会い、干し柿を勧めます。ですが、柿は体を冷やすと言って一度断るさとこ。ここで司は昔鈴とした会話を思い出します。


鈴は、自分を捨てた父親の気持ちが分かると話す司に、干し柿を勧めます。

「柿は体を冷やすって言うじゃない?でもねお日様に干すと変わるの。あなたもここでしばらくお日様に干されたら塩梅良くなるんじゃないかしら?」

この鈴の言葉が沁みた…。

陰と陽の考え方と重なる演出

東洋医学では、食材は「陰性」と「陽性」に分類されます。

  • 陰性:体を冷やす(果物、生野菜など)
  • 陽性:体を温める(根菜、味噌、塩、干し物など)

柿はもともと陰性。でも天日干しにすることで、陽性に近づくとされます。


その変化を、人間に重ねた鈴の言葉にぐっときました。司が、団地で鈴と暮らしてお日様を浴びて、少しずる温かく柔らかくなったことを表現しているようで。

もうひとつの「カキ」──牡蠣の登場

また、今回は”牡蠣”も出てきましたね!スーパーで牡蠣を見つけたさとこは、それを海苔で巻いて焼いて食べていました。

東洋医学的には牡蠣は陰性の食材。ですが、火を通すことで中和し陽性に近づけることが出来ます

きっとこれも、干し柿のエピソードと重ねられた演出なんだと思います。

おわりに

人も食材と同じように、「冷たいまま」ではなく、
あたたかな場所に身を置いて、ゆっくり時間をかけて変化していけるんだということ。

司の過去と変化、そして干し柿と牡蠣の対比が見事にリンクしていて、静かな感動がありました。

このドラマ人気みたいですね。穏やかだけどすごく深くて好きです。

▶︎第4話の感想はこちら🌱

▶︎「しあわせは食べて寝て待て」感想まとめ記事はこちら🌿

最後までお読みいただきありがとうございました。

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